招かれざる客-前文 | 違和感.com

招かれざる客

大学に通うために一人暮らしを始めてしばらく経った。
学校にも慣れてきたし、気の合う友人も出来てそれなりに楽しい毎日を送っていた。

けれど、最近なんだか俺の身の周りで不審な出来事が起きている。

大学から自宅のワンルームに帰ってくると、閉めたはずのカーテンが微妙に開いていたり、ゴミ箱の位置とか、そういう小さなことが微妙に変わっている気がする。

しかも、時々誰かに後をつけられているような視線も感じることもあった。

なんだか気味が悪く思い、ある日大学の友人に相談してみることにした。
「なぁどう思う? もしかしてストーカーとかかな? 警察に通報するにしても実際に被害がないと動いてくれないとか聞くしなぁ」
と俺が相談すると、
「じゃあさ、大学に行ってる間に部屋をビデオカメラで撮影しておいて、もしそこに誰かが侵入したりする様子が写っていれば、その証拠を持って警察に行こう」と友人は言った。
いいアイデアだと思った。
早速次の日の朝、部屋にビデオカメラを設置して、録画状態のまま大学へ行った。

学校から帰ってくると、部屋に違和感を感じた。
やはり所々に物を動かしたような形跡がある。
ビデオカメラは録画状態のままだった。
ゾッとしたが、これでやっと証拠がつかめると少し期待している自分がいた。
ビデオカメラの録画を停止して、早速再生してみることにした。