チャット仲間-前文 | 違和感.com

チャット仲間

最近の俺はというとチャットにハマっている。
少し前にネットで仲良くなった二人の女の子がいて、いつも三人で毎晩のようにチャットで盛り上がっていた。

一人はカンナという子でノリがすごくいい。
カンナは笑いのセンスも抜群で、自虐ネタなどではいつも爆笑させてもらっている。
もう一人はマイといって、大人しめのしっかりとした感じの子だった。
みんなそれぞれ性格は違うんだけど、逆にそれがぴったりとハマったようで三人での会話は止まらなかった。

そんなある日、とある事情でカンナの家に一人で泊まりがけで遊びに行くことになった。
女の家に泊まりに行く。
それだけ聞けば最高なのだが、俺は全くもって行きたいとは思わなかった…。
なぜかといえば、カンナは重度のメンヘラだったから。
チャットで会話する分には楽しいのだけど、実際に会うとなるととても憂鬱だった。
どうしても行かなければならなかった理由は割愛する。

カンナの家に到着し部屋に入ると、それはそれは異様な空気だった。
部屋は真ピンクで、人形やぬいぐるみがそこら中に散乱していた。
床は、男でもここまでならないだろうというほど散らかっていて、いろいろな所にナイフやらメスやら注射器、処方された飲み薬などが転がっていた。
俺は予想以上の異常さに動揺せざるを得なかった。
しかし急に帰るわけにもいかないので、カンナとは当たり障りのない話をして、近所のスーパーで買ってきた弁当と惣菜でお腹を満たし、適当に寝ることになった。
布団は一つしかなかったため一緒の布団で寝ることを提案されたが、さすがにまずいと思った俺は、物が散乱した床に場所を確保し、適当に雑魚寝することにした。
電気を消し、おやすみと言って俺は瞼を閉じた。

朝方ふと目が覚め、彼女の方を見ると思わぬ光景に目を疑った。